楽な道を選んでいる指導者

先日、あるテレビ番組を見ていた。

出てきたのは全国大会優勝常連の高校のダンス部だった。

顧問はダンス未経験だが独学で学び、スパルタ指導のもと何度も全国優勝に導いたのだという。

そのダンス部の練習、はっきりいって見ていられなかった。

「罰走」という意味のないことを何回もさせていたからだ。それも連帯責任という名のもとに全員で走らせる。しかも、1人の返事が少し遅かったからとか、クソくだらない理由で。

 

高校年代でこのような指導方法を取ることは良くない。

なぜなら大人に近づきつつあって義務教育でもない高校生に、こんな主従関係が明確で洗脳のような指導をする意味を感じないからだ。

高校年代なら、考え方とか、マインドを教えるような持続可能性を考えた指導方法がいいのではないか。

生徒自身が、このスパルタ指導を乗り越えた!というのが自信になり、経験になる、という観点以外で今後の人生に残ることがあるような教え方をした方がいいのではないかと思う。

そういうスキルだったり考え方がないから、指導者は、指導者というただの役割を勘違いし、自分は偉いと思い込み治外法権に走る。

高校生といっても年端もいかない子供であるのは間違いないから、生徒たちはそのカラクリ(指導者と選手というのは、本来そういう役割があるだけで必ずしも主従関係は発生しない)に気づかず、従っていく。生徒も従っている方が楽だから。何人かは指導者になるだろう。そして、同じような指導法を繰り返すという可能性は大きいと感じる。

元号が変わろうが2020年代を迎えようが、負の連鎖を断ち切るのは難しそうだ。