世間との答え合わせさ 【宣伝会議賞】

第52回宣伝会議賞の一次審査通過者が発表された。

2011-12の第49回から応募しているので今回で4回目の応募となる。

俺にとって宣伝会議賞とは目標の実現へのステップであると同時に、

世間とのズレがないか確認する答え合わせの場である。

 

「(悪い意味で)他の人と認知が違うかもしれない」

そう思い始めたのは、20歳ぐらいのころ。

きっかけは例えば俺がいう「○○さんは芸能人の××さんに似ている」という話をすると

ほとんど共感してもらえることが無かったり、そんな些細なことの積み重ねだった。

 

コピーライターという職種を本格的に知ったのは働き始めてからだった。

営業として働いていたが、「モノを売る」という素敵なことにコピーライターとして携わりたいと思った。

 

何かとダメ出しをしたくなる体質なので、「なるべく人(やモノの)いいところを見出そう」という思考の癖を中学生の頃から持とうとしていた。

だからそれはコピーの場で活かせると思っていた。

同時に心配だったのが、自分と世間のズレである。

世間がいいというものに対してあまのじゃくな目で見てしまうこともある。

それが不安でもあった。

1回目は、当然のごとくだめだった。

その後は、地方にいたのでコピーの通信講座を受講した。

コピーに関する本も以前より読んだ。

そこでよく言われていたのは、コピーは芸術作品ではないということだった。

芸術家は、自分の作りたい作品を作っていればいい。

しかしデザイナーしかり、コピーライターにも「発注元」が存在する。

コピーは「発注元」のモノだ。

「発注元」が望むものを調べ考えて、制作しないと仕事として成立しない。

それは当時やっていた営業の仕事にもいえることだった。

もっというと人間関係にもいえることだ。

お客さんの課題を考えて、予測して提案をすることはとても楽しかった。

コピーも同じだと思った。

おかげで、2回目、3回目は一次審査は通過することができた。

そして今年、4回目の応募。

環境も変え、年も取ってきている。残された時間も少ない中で、どうなるかわからなかった。

新宿のタリーズで一人、結果発表号を見た。

今年も通過ができていて良かったけど、過去2回のような高揚感はない。

なぜなら、応募量が足りないから。今年は上限の応募数の数%しか出せなかった。

「量は質に転化する」悔しいけど、事実だ。

 

自分の表現ではなく、お客さんやターゲットのことを考える。

そのどう考えているか、何がウケそうかという「予測の方向性」が広告的な作法とズレていないか?つまり、俺自身のセンスは錆びついていないか?適切な情報収集ができているのか?

それを確認させてくれる場が、俺にとっての宣伝会議賞だ。

 

 

宣伝会議 2015年 03 月号 [雑誌]

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ここらで広告コピーの本当の話をします。

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