逃げた先にも道はある。

人生逃げが必要な時もあります。逃げのススメや感じたことを書き綴ります。

今日日リスクが高過ぎる。柔道の授業って必要ない

この記事を友人を介して知りました。

記事中に登場している谷田部氏は友人の兄弟の知人です。
いわゆる他人です。笑
記事にある通り柔道の授業中に負傷をして、障害を負いました。
 
私は中高の体育で柔道はやったことがありませんでしたが、この話を聞いて違和感がありました。
柔道は、事故の話をよく聞くということです。
部活動、授業、両方で聞きます。この10年ほどで少なくとも3回ほどは聞いています。そして、それはあまりにも理不尽ではないかということです。授業や部活動は、過度に重傷や死亡のリスクを負ってまでやるものではありません。
 
記憶に残っているひとつは須賀川の案件

須賀川市第一中学柔道部暴行傷害事件 - Wikipedia

もうひとつはこちら

柔道事故で強制起訴、指導者に有罪判決 長野地裁:朝日新聞デジタル

他のスポーツでは、体育の授業で重症、ましてや死亡というのはこの頻度では聞いたことがありません。

 

内田良氏(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)は、中学・高校の部活動における生徒の死亡者数について言及しています。

陸上・野球・バレーボール・バスケ・剣道・卓球といった他スポーツの10万人あたりの死亡率が0.110から0.337人(つまり、10万人どころか数十万人に1人ほどの割合)なのに対して柔道の死亡率は1.980人とダントツで多くなっています。

また、高校の統計においても、先述のスポーツはおおむね10万人あたりの死亡率が0.7~0.9人なのに対し、柔道は2.847人とこれまた高い数値を記録しています。

実は内田氏の論文を見ると高校部活動において柔道より死亡率が高いラグビー(10万人中4.030人)があるのですが、授業ではほぼ行わないであろうことから触れません。

体育の授業の事故における有用な統計が見つからなかったので部活動のものを論拠にしています。

部活動でさえ、ここまで他スポーツと異なる死亡率である柔道です。

それを素人が圧倒的に多い体育の授業でやることがどれだけ危険かという認識を改めて持つ必要があります。

内田氏はまた、こう論じます。

10万人あたりの死亡率は中学校では柔道が1.980人と突出して高い。次に高いバスケットボールの0.371人と比較しても5.3倍の多さとなる。

その上で、

中学校でいうと、部活動でバスケットボールをするより柔道をするほうが5.3倍危険である(=死亡する)。逆にいうと、だからこそ柔道には、バスケットボールと比較して5.3倍の、安全面における配慮(資源の投入や注意の喚起等)が必要になるということになる。

としています。

平成24年度から体育で柔道、剣道、相撲の選択制で武道が必修化されています。

リスク管理は適切に取られているのでしょうか。

冒頭の谷田部氏のような例は数少なく、ストーリーもあるから報道されるわけです。柔道の授業や部活動で重症を負い、後遺症と向き合い、暮らしている生徒は多くいることでしょう。そしてその分だけ加害者となってしまった生徒もいるはずです。そして、それを受け止めるご家族も。

とはいえ、柔道は危険なものだからやめろという意思はありません。

内田氏がいうようにリスク対策が取られていれば問題は少なくなるはずです。

しかし、柔道は他スポーツに比べて数倍の死亡率があります。

指導、管理する教員側はそこまでのリスクを負えるのか、あるいは教員にこのまま負わせてしまって良いのかは疑問です。

 

 

参考文献: 内田良(2010)体育的部活動時における死亡・負傷事故件数の二次分析試論-「集計」から「分析」へー,『愛知教育大学教育実践センター紀要 第13号』,P206-207(http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/bitstream/10424/2766/1/jissenkiyo13203210.pdf